特許表示、(R)マーク、(c)マークの効果的な使用方法

河野 英仁 2005.4.1


 商品のケースに「特許取得済み、特許番号x,xxx,xxx、特許出願中」と記載されていることをよく見かけます。また商標には(R)マーク、CD,DVD等の著作物には(c)マークが付されています。今月はこれらの表示が使用される理由及び効果的な使用方法について説明します。

1.特許表示

 日本では特許製品に特許番号を表示する義務は課せられていません。しかし、米国等では特許番号を表示していない場合、侵害者に警告する以前の行為に対しては損害賠償が認められないという不利益が生じます。マーケットに応じて各国法制に応じた対応が必要となります。また日本国内だけに流通する製品であっても特許表示をすることにより第3者の模倣を抑制できるという効果があります。特に日用品などの模倣が容易な製品に関しては積極的に特許表示を行い、第3者を牽制すればよいでしょう。

2.登録商標表示

 登録商標表示も特許表示と同じく表示義務はありません。しかし、自社ブランドであることを対外的にアピールし、また安易な商標権侵害を未然に防止するためにも登録商標である旨の表示、または(R)マークを表示すべきです。また商標管理がおろそかになると商標が普通名称化(例えば、「ナイロン」「エレベータ」)し、商標の保護が否定されかねません。このように商標に関しては必ず登録商標表示を行うことが重要です。

3.著作権表示

 著作権に関するベルヌ条約の取決めにより、無方式主義である日本国においては、著作権表示は義務づけられていません。しかし、方式主義を採用する国によっては著作権表示を義務づけている場合があります。万国著作権条約では、方式主義を採用する国であっても@(c)マークA著作権者名、及びB最初の発行年を表示しておけば無法式主義国の国民の著作物を保護するとしています。よってこれら3点セットを必ず明記しておくことが必要となります。

◆ 特許表示等についての詳細は河野特許事務所までお問い合わせください。

以 上

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