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模倣大国の汚名は返上できるか?

中国での権利取得と権利行使


2007.11.1 河野 英仁

1.中国は変わったか?
 実質経済成長率が毎年約10%と、驚くべき勢いで中国は経済発展をとげています。その一方で、海賊版DVD及び偽ブランド品が数多く製造され世界各国に輸出されています。これらの問題に対処すべく、中国は2001年WTOに加盟し、法改正及び裁判所の拡充等、知的財産権保護のレベルを高める努力をしています。本ニュースでは、中国にマーケットを持つ企業にとって権利取得のため必要な最低限知っておきたい事項をご紹介いたします。

2.特許・商標は審査、実用新案・意匠は無審査
 中国では特許、実用新案、意匠の全てを含めて特許といいます。これらの内、実用新案及び意匠に関しては、実体的な審査は行われず、方式的要件を満たしさえすれば、すぐに権利が発生します。一方、特許及び商標に関しては日本と同じく、方式審査及び実体審査の双方が行われます。特許及び商標に関しては、実体審査を経ていますので、その権利はある程度有効と考えられます。しかし実用新案及び意匠に関しては、無審査ですので、その権利の有効性はどうなるのかと疑問を持たれる方も多いと思います。

 実用新案権に基づき権利侵害を主張する場合は、中国特許庁が作成した検索報告を提出し、その有効性を証明する必要があります。しかし、その有効性さえ認められれば特許と同じです。今年10月にはフランスの企業が中国企業に実用新案権に基づき訴えられました。損害額は中国としては最高額の約56億円が認められました。

 意匠に関しては、検索報告の提出義務はありません。しかも一度意匠権が発生した場合、無効とすることが困難です。出願日前に中国または外国で刊行物に同様の意匠が掲載されている場合は、登録意匠を無効とすることが可能です。また出願前に、その意匠が中国国内で販売等されている場合も、無効とすることが可能です。しかし、外国でのみ販売等されている場合は無効とすることはできません。このように意匠権は権利の取得が容易・権利が強固というメリットがあり積極的に活用すべきといえます。

中国の知的財産権に関するお問い合わせは弊所弁理士までお問い合わせください。

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