特許料金が安くなるってホント?

福永正也  2003.7.1 


 特別な手続きを行わなくても特許に関する料金が安くなるという話があるようですが、平成16年4月1日から移行される新しい料金体系では、安くなる部分もあれば高くなる部分もあるというのが実状です。具体的には次のとおりです。
(1)特許出願料が安くなります。
 従来は特許出願1件当たり21000円であった出願料が、1件当たり
 16000円に軽減されます。
(2)審査請求料は高くなります。
 @審査請求料は、従来の料金の倍額!!となります。
 A権利化できなければ、審査請求料の差額分だけ従来より負担が増えて
  しまいます。
 真に権利化を図りたい特許出願のみを選択して審査請求する必要があります。
(3)特許料は安くなります。
 @特許権の存続期間10年目までの特許料(年金額)が約半分になります。
 A昨今の商品のライフサイクルの短期化に呼応して、短期間でコストの回収
  を図ることができるよう考えられたものです。

2001年の平均的な特許出願(請求項7.6項、特許権維持期間9年)を例に挙げて新旧料金体系におけるトータルコストを比較すると、以下のように軽減されることになります。
出願料 審査請求料 特許料 合 計
現行料金(旧料金) 2.10万円 9.95万円 35.62万円 47.67万円
改定料金(新料金) 1.60万円 19.90万円 16.66万円 38.16万円

 なお、審査請求手続きを行った後であっても、審査の開始前に返還請求手続きを行うことで、審査請求料の半額が返還される制度も併せて導入されます。これにより、審査請求後であっても、社会情勢の変化等により権利取得の必要性が薄れた場合には、審査請求料の半額が返還されることになり、より柔軟な対応が可能となっています。
◆ 特許出願等の料金の詳細に関しましては、お気軽に河野特許事務所まで御連絡下さい。
以 上

Copyright 2003 KOHNO PATENT OFFICE