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特許法改正

~拒絶理由通知に対する応答期間の延長・
明細書なしの特許出願~

2016.6.1 大竹 康友

 昨年改正された特許法等が4月1日から施行されています。特に職務発明制度が見直されてガイドラインが策定され、特許出願料(¥15000が¥14000に)、特許料(1~3年までの基本料金¥2300が¥2100に)、商標権の設定登録料(区分数×¥37600が¥28200に)、更新登録料(区分数×¥48500が¥38800に)等が引き下げられています。国際出願関係では為替レート変更に伴って出願手数料(¥164200が¥151300に)等が6月1日から引き下げられます。その他に拒絶理由通知の応答期間の延長と先願参照出願とが導入されました。以下、これら2項目について説明いたします。

1.指定期間の救済(特許法第5条第3項)
 特許出願及び商標登録出願の審査段階における拒絶理由通知の応答期間を延長請求することができるようになりました。従来はこの請求に「合理的理由」が必要でした。

(1)特許出願の場合
・指定された応答期間内であれば、1通の請求(手数料は¥2100)で2ヶ月間の延長が認められます。
・応答期間の経過後でも2ヶ月以内に請求(手数料は¥51000)すれば2ヶ月間の延長が認められます。
 但し、応答期間内に既に延長請求されている場合は、応答期間経過後の延長請求ができません
 また、当初の応答期間内に意見書又は補正書を提出した場合も、応答期間経過後の延長請求はできません

(2)商標登録出願の場合
・指定された応答期間内であれば、1通の請求(手数料は¥2100)で1ヶ月間の延長が認められます。
・応答期間の経過後でも2ヶ月以内に請求(手数料は¥4200)すれば2ヶ月間の延長が認められます。
 期間満了前に応答及び期間延長がなされた場合でも期間経過後の延長請求ができます

2.先願参照出願(特許法第38条の3)
 明細書が準備できない状況で優先権主張の期限までに出願日を確保する必要がある場合等に、特許出願の願書に明細書を添付しなくても、自己が行った先の特許出願(外国でしたものを含み、分割出願を除く)を参照すべき旨を願書に記載することにより、先願参照出願として出願日が認定されます
 上記の手続は緊急避難的なものですので、出願後4ヶ月以内に、明細書及び必要な図面を添付した明細書等提出書及び先の出願の明細書等を提出する必要があります。このときに、出願料とは別に¥14000の手数料が必要です。提出した明細書及び図面に記載した事項が、先の特許出願の明細書等に記載した事項の範囲内にある場合は、先願参照出願の願書の提出日が先願参照出願の出願日となり、範囲内にない場合は、明細書及び図面の提出日が先願参照出願の出願日となります。

◆特許出願に関するご質問がありましたら、お気軽に河野特許事務所までお問い合わせください。

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