CAFC Update4

2004.1.19 

CFMT, INC. and CFM TECHNOLOGIES, INC.,
vs.
YIELDUP INTERNATIONAL CORP.,
実施可能要件と不公正行為のレベルを明確にした判決

1.概要
 CFMT, INC及びCFM Technology(以下、CFMT)は半導体ウェハーの清浄方法に関する米国特許4,778,532(以下,532特許)及び4,917,123(以下,123特許)を有しており、YieldUp International Corp.(以下、YieldUp)を特許侵害であるとして、デラウェア地裁へ提訴した。
 地裁はCFMTの532特許及び123特許を、112条の実施可能要件違反を理由に無効とし*1、また不公正行為を理由に権利行使不可能との略式判決*2なした。CAFCは、地裁の実施可能要件及び不公正行為の要件の双方についての適用に誤りがあるとして、地裁に対し一部取消、一部無効及び差し戻し判決をなした。

2.背景
(1)532特許及び123特許の内容
 532特許及び123特許は半導体ウェハーの清浄(cleaning)に関する特許である。半導体の欠陥を防止するためには、半導体ウェハー製造時において可能な限り汚染から守る必要がある。従来技術は開放的な環境において、ウェハーを様々な液体に連続的に浸すことにより汚染を防止していた。しかし、このシステムはウェハーを風媒汚染にさらし、作業員を危険な化学物質にさらすことになるという問題があった。
 532特許及び123特許はこの問題を解消するために、ウェハーを外の環境に対して密閉し、つまりウェハーを異なる化学物質によりクリーニングする間、密閉コンテナに閉じこめておくことにより、作業員の操作を不要としたものである。123特許は532特許の分割出願であり、532特許は方法クレームのみを含み、123特許は装置クレームのみを含む。

(2)争点となったクレームの文言
 532特許のクレーム1・クレーム55*3、及び、123特許のクレーム1・クレーム20*4のプリアンブル(前段部分)が問題となった。各クレームのプリアンブルは以下のとおりである。

532特許クレーム1のプリアンブル
.容器にウェハーを配置し、環境に対して前記容器を閉じこめ、前記容器の中のウェハーに対して連続してプロセス流体を供給する半導体ウェハーのクリーニングのための封じ込め完全供給方法であって、以下のステップを含む・・・

532特許クレーム55のプリアンブル
55.半導体ウェハーのトリートメントのための封じ込め完全供給方法であり、以下のステップを含む・・・

123特許クレーム1及び20のプリアンブル
1(20).半導体ウェハーのウェットプロセス用装置であって、以下の構成要件を含む・・・

(3)第3の特許の存在
 CFMTの発明者は、クレームされた発明を実行する装置をTexas Instruments(以下、TI)へ設置した。最初はTIが要求する清浄基準を満たしておらず、発明者はこの要求を満たすために調整・実験に数ヶ月費やした。CFMTはこの改良に関して後日、第3の特許US4,911,761(以下、761特許)を取得した。

(4)Yieldupを提訴
 CFMTはYieldUpを532特許及び123特許の侵害であるとして地裁へ提訴した。YieldUpは、特許が実施不可能である点及びPTO(米国特許商標庁)に対する不公正行為があったことを理由に権利行使が不可能である点を主張した。YieldUpは実施不可能の根拠として発明の商業上の具体化欠如をあげた。CFMTはTIに完全供給装置を配置、つまり本発明にかかる装置一式を納めたが、ドライステップに問題があったため、当初はTIの清浄基準を満たしていなかった。そのとき532特許はPTOに継続中だった。審査段階でCFMTは532特許の利点を提出したが、TIにおける問題点は提出しておらず、しかも、発明者はこの改良発明である761特許を出願した。

(5)地裁の判断
 2000年4月5日地裁は532特許及び123特許を実施不可能であることを理由に無効とする略式判決をなした。地裁は532特許及び123特許のプリアンブルの文言「クリーニング」、「トリートメント」及び「ウェットプロセス」を、ウェハー表面からの汚物除去と解釈した。地裁は、明細書は当業者にとって完全供給システムの使用により、半導体ウェハーを清浄できるものであることが必要とされるところ、532特許は半導体ウェハーを清浄しておらず、761特許で初めて解決されたと判示した。
 また、地裁は532特許及び123特許は、PTOに対する不公正行為があったとして権利行使不可能と判断した。その理由として第1に、CFMTはTIのテスト結果(以下,TIデータ)をPTOに対して報告していなかった点をあげた。地裁は、審査官が特許を許可するか否かにおいて、発明者の利点に反論することを、TIデータを用いて考慮したかもしれないので、TIデータを重要なものと位置づけた。第2に出願人は非自明性の拒絶に反論し、発明の11の利点について述べた点をあげた。地裁は、開示されていないTIデータは、これら11の利点を否定すると判断した。つまり地裁は、TIデータは重要なものであり、CFMTはPTOを欺く意図があったと推論し、権利行使不可能の決定をなした。CFMTはこれを不服としてCAFCへ提訴した。

3.CAFCの争点
(1)特許公報に開示したとおりの製品が顧客に受け入れられなかった場合に、実施不可能な発明であるとして無効にされるか
 地裁は、CFMTが顧客であるTIへ導入した装置が、TIの要求する清浄基準を満たしていなかったことを理由に特許法112条パラグラフ1の実施可能性要件を否定した。112条における実施可能要件が、商業上実施できる程度まで記載されることが要求されるのか、あるいはそのレベルまで必要とされないのか問題となった。

(2改良特許の存在が実施可能要件に影響を与えるか
 CFMTは、532特許及び123特許がTIの要求する基準を満たしていないことから、これらを改良し初めてTIにおける清浄基準を満たした。この改良にかかる第3の特許の存在が112条における実施可能性の要件にどのように影響を与えるかが問題となった。

(3)顧客に受け入れられなかったことを示すデータをPTOへ提出する必要があるか
 TIにおけるデータを審査段階において提出していないことを理由に、PTOに対する不公正行為が認定された。PTOに対する不公正行為が存在する場合は、特許権の権利行使は不可能となる。どのような証拠を提出していない場合に不公正行為となるのか、どのレベルであれば不公正行為とならないのかが問題となった。

4.CAFCの判断
A.実施可能要件
(1)実施例の記載は、商業上市場において、成功するに足りる高いレベルまでは要求されない
 地裁は実施不可能の根拠として、@有用性欠如または操作不可能、及び、A不当に負担の厳しい実験(undue experimentation)が、発明を実施するために必要とされる点をあげた。地裁はクレームの文言「クリーニング」、「トリートメント」及び「ウェットプロセッシング」を不純物の除去を要求するものとして判断し、この判断に基づき532及び123特許は当業者が、本発明により半導体ウェハーを清浄できるものでなければならないと判示した。地裁は、このシステムは肉眼では清浄できているが、レーザースキャニングでは清浄できていないと指摘した。そして、TIデータはクレームされた発明が、改良特許(716特許)による進化があるまでは汚染粒子を除去することができない事実を示すものであり、532及び123特許は半導体ウェハーを洗浄することができないと結論づけた。
 原告、被告とも、クレームのプリアンブルの文言「クリーニング」「トリートメント」「ウェットプロセッシング」を不純物の除去を要求するものとした判断について争っていないが、CAFCは、これらのクレームにおいて、不純物を除去する際のレベルが問題であると指摘した。さらにCAFCは、716改良特許が、523特許及び123特許の実施可能性要件に影響を与えるか否かを考慮しなければならないと指摘した。
 CAFCは、地裁が、特許の開示において、TIの商業的基準に合致する実施例を要求している点を誤りと判示した。つまり、CAFCは、地裁が設定した実施可能性の要件のハードルは高すぎると判断した。CAFCは、実施例の記載は、商業上市場において、成功するに足りる高いレベルまでは要求されないと判示した。TIにおける試験は、商業上の要件を満たすためにCFMTがその仕事を引き受けただけであって、クレームされた範囲における実施可能性を示すものではないからである。またCAFCは、特許は製品のための文書ではない点をあげ、さらに、特許法は特許権者が製品を大量生産するためのデータを開示しなければならないとは規定していない*5ことをその根拠としてあげた。
 以上のことからCAFCはTIにおける試験が実施不可能であることを示すものではないと結論づけた。

(2)112条の要件を満たすために必要な開示レベルは、クレームされた発明の範囲によって相違する
 特許法は、当業者がクレームされた発明の全範囲を製造でき、使用できるように、発明者に実施例を記載することを要求している。発明が、半導体ウェハーの清浄プロセスを進化するための一般的システムであれば、開示は、全体的なシステムにおいて、その進化を開示すれば足りる*6。もちろん、所謂数値限定発明のように、発明が特定の粒子除去数値まで清浄する方法がクレームされている場合、実施例は、方法の開示が当業者に、不当に負担の厳しい実験なしにその数値範囲を達成できるよう開示することが要求される。
 このように112条の要件を満たすために必要な開示レベルは、クレームされた発明の範囲によって相違する*7

 532特許及び123特許のクレームは、清浄基準に言及していないことから、CAFCは、これらの特許が当業者にとって不当に負担の厳しい実験が必要とされるか否かを、証言から検討した*8。証言記録によれば、発明者のプロトタイプは油脂の汚れを除去している証拠を含んでおり、発明者らは、肉眼により、光束状の油脂汚れが除去できたことを証言した。その結果CAFCは、当業者が不当に厳しい実験なしに、汚れを除去することができると判断した。

(3)有用性の基準は、第1にクレームに対して適用される
 地裁は基本的に、クレームされた発明は特許時において単に機能せず、つまりウェハーを清浄せず、それ故発明を実施するために不当に負担の厳しい実験が要求されると結論づけた。CAFCは112条の実施可能要件と101条の有用性の要件との関係を考慮した。もし、発明が操作不能であることを理由に101条の有用性の要件を満たしていない場合、当業者はその技術を実行できないから同様に、112条における実施可能要件も満たさない*9
 しかしながらCAFCは、地裁が101条における有用性の水準を高くセットしすぎたと判断した。なぜなら、有用性の基準は、第1にクレームに対して適用されるからである*10。つまり、プリアンブルの「クリーニング」は単に「不純物の除去」を意味するのであって、完全な不純物の除去や、TIの商業上基準に従った不純物の除去までをも意味するものではないからである。CAFCは、発明者が「不純物の除去」を開示することにより有用性を示し発明を実施可能にしていると判示した。

(4)改良発明は特許法において、至る所に存在するものであり、かかる進化が基本発明の実施可能性に影響を与えるものではない
 地裁は実施可能要件違反の第2の理由として、半導体ウェハーを清浄できた761改良特許をあげた。つまり、532及び123特許の改良である761特許により初めてTIが設定した商業基準をクリアしたので、532及び123特許は実施可能でないと結論づけた。
 CAFCは、改良発明は特許法において、至る所(ubiquitous)に存在するものであり*11、かかる進化が基本発明の実施可能性に影響を与えるものではないと判示した。その理由として、一般に特許された発明がすぐに商業上の成功を遂げることは少なく、むしろ商業上の成功を成し遂げるためにさらなる改良が要求されることが多い事を理由とした。

 以上のとおり、地裁は532特許及び123特許のクレームが実施不可能であり、無効であるとの結論をなしたので、CAFCはその決定を一部無効にした。

.不公正行為
(1)審査において、自明性の判断に利用されなかった主張は、不公正行為の判断において重要な証拠とはならない
 不公正行為が認められるためには、特許出願人が、欺く意図をもってPTOに対し重要な情報を開示していないことが必要とされる*12。つまり、欺く意図を持って、重要な事実の虚偽陳述、重要な情報の非開示、または不正確な重要情報の提出が存在することが必要とされる*13。もし審査官が出願を特許として許可するかどうかを決定するに際し、情報が重要であると考慮する実質的な見込みがある場合は、その情報は重要な情報となる。地裁は、CFMTが、532特許の審査中に、非自明性の拒絶をクリアするための発明の利点についてのコメント及びTIデータの非開示において不公正行為があったと結論づけた。地裁はコメント及びデータ非開示の重要性についての発明者の認識に基づいて、欺く意図があったと推論した。

 1988年12月に提出された意見書の発明の利点*14抜粋は以下のとおりである。
「現在クレームされている発明により達成される新規かつ/または予期できない結果及び利点は、以下のものを含む

1.風媒粒子による不純物の削減

2.人またはロボット作業員からの不純物の削減・・・
上述した全利点の最終的な効果は、不純物を取り入れるリスクを減じることにある。
 TIのデータは、上記利点に反するので、地裁は審査官がTIデータを重要と考えていたかもしれないと判断した。地裁は103条における非自明性をクリアするための発明者の意見は不正確であり、また虚偽陳述を含むと結論づけた。
 CAFCは、地裁がこの利点に関する意見を重大な虚偽陳述であると判断した点を誤りとした。発明は半導体ウェハーを清浄するためのシステムであり、環境から閉ざすことによって技術を進化させ、不純物の低下という効果を生じさせるからである。出願人は本発明により予期される効果を列挙しただけなので、CAFCは虚偽陳述にはあたらないと判断した。
 さらに、CAFCは地裁が、審査官が審査の段階において上記利点に頼ったと判断した点を誤りとした。審査官は、先行技術がクレームされたような閉ざされた水圧システムを示唆していないと述べ、そして先行技術が本発明のクレーム構成要素の全てを開示していないから*15、自明でないと判断し、それゆえ、発明者の提出した利点を利用しなかった。このことから、CAFCは提出された発明の利点を、地裁が言うような重要な証拠とはなり得ないと判断した。
 以上をまとめると、提出された発明の利点は、何ら事実に反するものでないから虚偽陳述に該当しないし、また審査段階において特許性の判断にこれらが利用されていないから重要性を持たないと判断した。

(2)商業上のデータは実施可能要件に影響を及ぼさない
 地裁はTIにおけるデータを重要なものと位置づけ、PTOに対してそのデータを開示していなかったことを義務違反と判断し、不公正行為を認定した。この点に関し、CAFCは上述したようにTIデータはクレームされた発明を実施する上で、重要な意義を持たないことから地裁の判断を誤りとした。つまり、TIにおけるデータは商業上実施する上で重要な意義を持つが、クレームされた発明を実施する上で、つまり実施可能要件上、重要な意義を持つものではないことを明らかにした。

(3)欺く意図を推論するためには、甚だしい怠慢があったというだけでは不十分で、十分な過失が必要とされる
 地裁は出願人が意図的に重要な情報(TIデータ)を審査段階で取り下げ、たことから欺く意図があったことを推論し、PTOに対して不正行為があったと判断した。これに対しCAFCは、欺く意図を推論するためには、甚だしい怠慢があったというだけでは不十分で*16、十分な過失が必要とされると述べ、本件ではTIデータが上述したとおり重要な意義を持たないので、詐欺の意図を推論できないと判示し、不正行為があったとした地裁の決定を取り消した。

5.結論
 CAFCは、地裁が略式判決において112条の実施可能要件を満たさず、また、トライアル後の決定においてPTOに対する不公正行為を理由に権利行使できないと決定を一部取消、一部無効にし、さらなる審理を行うよう地裁への差し戻した。

6.コメント
(1)112条における実施可能要件については、どのレベルまで記載すればよいのか議論の多いところである。本判例では商業上の基準を満たすレベルまでは必要とされず、クレームの全範囲について当業者が実施できるレベルで記載すればよい点を判示し、改良発明が何らその記載要件に影響を及ぼさないことも明確にした。その一方で、クレームの内容によっては(数値等の条件がクレームされている場合等)、そのレベルが変動することも明確にしている。

(2)本件においては、提出した利点及び開示しなかったデータが、103条の自明性を判断する上で、重要な意義を持たないことから不公正行為があったとは認定されなかった。逆に、複数の引例中にクレームの全ての構成要素が開示されており、自明性をクリアする上で提出した利点及び提出していないデータが重要な意義を持ち、審査官が自明性を判断する上でこれらを考慮していた場合は、不公正行為が認定される可能性がある事を示している。

判決 2003年11月12日

以 上
【関連事項】
判決の全文は下記のジョージタウン大学Law Centerのライブラリから閲覧することができます。
http://www.ll.georgetown.edu/federal/judicial/fed/opinions/01opinions/01-1452.html

【注釈】
*1 CFMT, Inc. v. YieldUp Int’l Corp., 92 F. Supp. 2d 359 (D. Del. 2000)
*2 CFMT, Inc. v. YieldUp Int’l Corp., 144 F. Supp. 2d 305 (D. Del. 2001)
*3 532特許のクレーム1及びクレーム55

1.  An enclosed, full flow method for the cleaning of semiconductor wafers comprising positioning said wafers in a vessel, closing said vessel to the environment, and flowing process fluids sequentially and continuously past said wafers in said vessel, including the steps of

(a) contacting said wafers with at least one cleaning fluid to remove contaminants from said wafers;

(b) removing said cleaning fluid from said wafers with a rinsing fluid; and

(c) removing said rinsing fluid from said wafers with a drying fluid;

whereby the processing does not requirement [sic] movement or operator handling of said wafers between said steps; and

maintaining the vessel containing said wafers hydraulically full during each process step.

 

55.  An enclosed, full flow method for the treatment of semiconductor wafers comprising positioning said wafers in a vessel, closing said vessel to the environment, and flowing process fluids in sequential steps continuously past said wafers in said vessel, including the step of reacting the surface of said wafers with at least one chemical reagent, whereby the processing does not require movement or handling of said wafers between said steps and maintaining the vessel containing said wafers hydraulically full during each process step.

 

*4 123特許のクレーム1及びクレーム20

1.  Apparatus for wet processing of semiconductor wafers comprising:

(a) vessel means for supporting said wafers in a closed circulation process stream wherein process fluids may sequentially flow past said wafers, said vessel being hydraulically full with process fluid when said process fluids flow past said wafers;

(b) means for supplying at least one cleaning fluid to said process stream for removing contaminants from said wafers, and means for withdrawing said cleaning fluid from said process stream;

(c) means for supplying a rinsing fluid to said process stream for removing other fluids from said wafers, means for minimizing gas/liquid interfaces in said rinsing fluid and means for withdrawing said rinsing fluid from said process stream; and

(d) means for supplying a drying fluid to said process stream for removing other fluids from said wafers and means for withdrawing said drying fluid from said process stream.

 

  20.  Apparatus for wet processing of semiconductor wafers comprising:

(a) vessel means for supporting said wafers in a closed circulation process stream wherein process fluids may sequentially flow past said wafers and

(b) means for supplying at least one chemical reagent to said process stream for reacting with portions of said wafers, said process stream being positioned within said vessel means such that said vessel means is hydraulically full with process fluid.

emphases added)

*5 Christianson v. Colt Indus. Operating Corp., 822 F.2d 1544, 1562 (Fed. Cir. 1987).

*6 Engel Indus., Inc. v. Lockformer Co., 946 F.2d 1528, 1533 (Fed. Cir. 1991) (“The enablement requirement is met if the description enables any mode of making and using the claimed invention.”).

*7 Durel Corp. v. Osram Sylvania Inc., 256 F.3d 1298, 1306-07 (Fed. Cir. 2001); In re Wright, 999 F.2d 1557, 1561 (Fed. Cir. 1993); In re Wands, 858 F.2d 731, 737 (Fed. Cir. 1988).

*8 See Engel Indus., 946 F.2d at 1533.

*9 re Swartz, 232 F.3d 862, 863 (Fed. Cir. 2000) (“[I]f the claims in an application fail to meet the utility requirement because the invention is inoperative, they also fail to meet the enablement requirement because a person skilled in the art cannot practice the invention”); EMI Group N. Am., Inc. v. Cypress Semiconductor Corp., 268 F.3d 1342, 1348 (Fed. Cir. 2001).

*10 Process Control Corp. v. HydReclaim Corp., 190 F.3d 1350, 1359 (Fed. Cir. 1999) (claims found inoperable because they require violating the principle of conservation of mass); Newman v. Quigg, 877 F.2d 1575 (Fed. Cir. 1989)

*11 Hormone Research Found., Inc. v. Genentech, Inc., 904 F.2d 1558, 1568 (Fed. Cir. 1990) (citing In re Hogan, 559 F.2d 595 (CCPA 1977)).

*12 Kingsdown Med. Consultants, Ltd. v. Hollister Inc., 863 F.2d 867, 872 (Fed. Cir. 1988).

*13 Molins PLC v. Textron, Inc., 48 F.3d 1172, 1178 (Fed. Cir. 1995).

*14発明の利点
 The new and/or unexpected results and advantages achieved by the presently claimed invention include:

1. reduction of contamination by airborne particles;

2. reduction of contamination from human or robotic operators:

3. good heat transfer between process chemicals and wafers;

4. uniform exposure of the wafers to reagent chemicals at uniform concentrations for precisely limited periods of time;

5. reduction of hazards to personnel by minimizing exposure to chemicals;

6. minimizing stagnant conditions and avoiding filming effects; and

7. providing a mechanically simple process and apparatus which allow for easy operation and cleaning while minimizing the possibility [sic] contaminant build-ups in the apparatus.

Still further advantages are provided by preferred embodiments of the present invention, including:

1. the reduction of quantities of hazardous process fluids used due to recirculation of the process fluids;

2. the ability to provide quality drying fluids to displace the residual rinsing fluid;

3. the ability to provide a high-quality rinsing fluid having both low suspended solids and low dissolved impurities; and

4. the ability to provide high flow rates of rinsing fluid to rinse the wafers and precisely dilute concentrated chemical reagents.

The net effect of all the above advantages is to reduce the risk of introducing contaminants while simultaneously improving the yield of non-defective semiconductor devices.

*15 In re Gulack, 703 F.2d 1381, 1385 n.9 (Fed. Cir. 1983); In re Royka, 490 F.2d 981, 985 (CCPA 1974) (obviousness requires a suggestion of all limitations in a claim)

*16 Kingsdown Med. Consultants, Ltd. v. Hollister Inc., 863 F.2d 867, 876 (Fed. Cir. 1988).


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