【法改正】審査請求期間短縮のお知らせ
〜2001年10月1日から施行〜
2001年7月31日
河野英仁
1)審査請求制度についての基礎知識
2)審査請求期間の短縮〜7年から3年へ
3)今後の対策
1)審査請求制度についての基礎知識
@特許庁に特許出願をしても、審査請求手続きを行わないと、審査官は審査をしてくれません。その上、放置しておくと出願の日から7年経過した後には、出願が取り下げられてしまいます。
Aこれはなぜでしょうか?
特許出願には、
a)確実に権利を取得したいので出願するケース。
b)別に権利は不要だが、他社が出願して特許を取得されては困るので防衛的に出願するケース。
があります。
出願の中には意外とb)のケースが多く、またa)のケースで出願していたが、さっぱり売れそうにないので特許を取得しても意味がないという場合も案外多いものです。
Bこのような特許がいらない出願については、審査しても意味が無く、審査官の負担にもなります。
そこで、真に権利化したい出願のみを審査するために。「特許出願の日から7年以内に審査請求があった出願のみが、審査を受けることができる」という審査請求制度が設けられたのです。
2)審査請求期間の短縮〜7年から3年へ
2001年の10月1日から、審査請求期間が
「特許出願の日から3年」に短縮されます。
これは、諸外国の法制との調和、また3年も期間があれば、要か否かの判断はできるであろうとの理由等に基づくものです。
3)今後の対策
@審査請求期間の厳重管理
10月より前の出願は、審査請求期間が7年。10月以降は審査請求期間が3年となります。上述のとおり、法定の期限を徒過した場合は、特許出願が取り下げられますので、期限管理には十分注意する必要があります。
A他社特許の調査
他社特許を調査する場合は、出願日から3年目が1つのキーポイントになります。3年目を機に、審査請求がされたか?取り下げになっていないか?等を確認しましょう。
出願公開段階の明細書は、権利範囲が非常に広く、また補正により詳細な説明の欄に記載した内容が、クレームアップされることもあり、その監視負担は、極めて大きいです。
従来は、その期間が7年でしたが。3年に短縮されましたのでその負担は大幅に軽減されます。
B防衛出願は9月30日までに
メリットだらけのようですが、防衛出願が他社特許に与える影響は低減します。今までは、審査請求しなくとも7年間は、そのまま特許庁に継続させ、他社を牽制することができましたが、それが3年間になってしまいます。
よって防衛出願についてはなるべく、9月30日までに出してしまうのが望ましいでしょう。
以上
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