中国模倣被害の実態について
河野英仁 2003.4.4
1.特許庁から中国での知的財産権の模倣品(ニセモノ)被害のアンケート結果が公表されました。 日系企業の中国進出に伴い多数の模倣品が市場に流通しており、その被害も年々大きくなっています。 詳細は、http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/mohohigai_hou.htmに掲載されていますが、以下に主なアンケート結果をご紹介します。 2. (1)昨年と比較した模倣品被害状況 図1に示すように昨年調査時と比較して悪化の傾向が顕著となっています。そして被害が深刻と考えている企業は17.4%にものぼりました。なお、深刻な被害が出ている業界は、機械、食品・化学、電子・電気です。 (2)侵害されている権利の比率 図2に示すように、商標権、意匠権の侵害が多いことがわかります。中国では本物に限りなく似せたいわゆるデッドコピーが大量に出回っている実態によるものです。 |
(3)今後の社内体制 図3に示すように現状のままという企業もあるものの、体制を強化すると回答した企業数が増加しています。具体的には、知的財産権の取得、模倣品対策担当者の配置、民事訴訟の提起等が主な対策です。 |
(4)中国政府もWTOに加盟したことに伴い、知的財産権保護の強化(法律改正、取締機関の強化等)を積極的に行っています。市場が急速に広がっている中国では、模倣品を防止するために中国での知的財産権の取得がより重要になってきているといえます。特に商標、意匠については早期に出願し権利化を図ることが重要です。特許については台湾とセットで出願するとコストを削減できます。 |
以 上 |