海外で特許権を取得済みですか?

野口富弘  2003.5.2 


 海外で特許権を取得するには、それぞれの国での出願手数料、翻訳文費用、審査段階での費用、特許権の維持費用など多くの費用が必要ですが、これらの投資をしてでも、自社の製品を海外の競業他社の実施行為から守るためには、権利を取ることが大切です。

☆特許協力条約(PCT)に基づく国際出願
・日本の特許庁に出願をすると海外の指定国すべてに出願したのと同じ効果が得られ、出願日を早期に確保できます。
・指定国は5ヶ国以上いくつ指定しても、日本の特許庁に納付する最低限必要な手数料は20万円程度です。多数国に出願する場合は有利です。
・すでに日本で出願をしている場合は、パリ条約の優先権主張の手続をしてPCT出願することもでき、日本での出願日に出願したのと同様の効果が得られます。
特許性の判断材料に有効な調査報告が得られ、海外で権利化ができるかどうかの判断に使えます。
・PCT出願の日から30ヶ月以内に各指定国に移行手続きをすることができ、権利化の是非について検討できる猶予が得られます。

☆パリ条約の優先権主張出願
 ・すでにした日本の出願に基づいてパリ条約の優先権主張の手続をして出願をすることもできます。少数の外国で早期に権利化をする場合は有利です。

注1)平成16年1月1日以降は、PCT出願をすれば全締約国を指定したものとみなされ、また、新たな手数料が導入されます。
注2)パリ条約の優先権とは、日本の出願と同一の対象について、日本の出願日から12ヶ月以内に優先権を主張して出願すれば、日本での出願日に出願したのと同様の効果が得られるパリ条約上の利益です。
以 上

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