研究開発の複雑化、効率化のために他社と共同で研究開発を行うケースが増大しています。他社と共同で研究開発を行う場合は、一般には、共同研究開発に関する契約を締結します。共同研究契約において特許についての留意点をご紹介します。
☆契約前に済ましておくこと
自社の発明を調査し、共同研究に関連するものは念のために契約前に特許出願しておく。共同研究の前に開発した発明を自社に帰属させるためです。
☆契約に盛り込むこと
@特許の出願人を誰にするか
出願人は将来の特許権者です。権利を取得するためには原則として出願人である必要があります。
A特許出願手続の窓口をどちらが担当するか
B権利の持分をどうするか
特許出願に関する費用、権利化後の実施料、権利譲渡の対価、特許料等の分配に持分が関係します。
C特許後の関連会社の実施をどうするか
契約相手の関連会社が競合する同業他社である場合は、関連会社がその特許発明を実施する内容及び時期について取り決めておく。
D不実施の補償をどうするか
契約当事者の一方がメーカであり、他方が通信会社である場合において、特許製品が通信機であるとき、通信会社は、特許製品の製造・販売で利益を得ることができません。このような場合、特許製品の実施による利益の配分(メーカから通信会社)を取り決めておく。
E持分の譲渡、実施権の許諾をどうするか
契約相手が共同権利者である場合、自分の持分を第三者に譲渡すること、又は第三者に実施権を許諾する可能性があるときは、契約相手の同意を求めておく。
※なお、開発の過程で開示せざるを得ない秘密情報(ノウハウ)は、無断で流用されないように、秘密保持できるように取り決めておきましょう。
共同研究契約に関するご相談は、幣所にお気軽にお問い合わせください。
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