地域団体商標制度を利用して
京ブランドを保護しよう!


岡田 充浩 2005.7.1


 今回、下記の商標法改正案が閣議決定されたことにより、地域名と商品(役務)名からなる商標等の適切な保護が可能になりましたのでお知らせ致します(施行日は2006年4月1日の予定)。

1. ★今までは保護が不十分

 例えば「宇治茶」のような地域名とその地域に関連する特産商品(役務)名と組み合わせた商標(以下「本商標」という)は、地域ブランドを確立するために重要なものであり、特に歴史ある京都には、多くの京ブランドが存在しています。
 しかし、現行商標法上、本商標は、原則として商標登録されないので、例えば、京ブランドに便乗する目的で本商標を粗悪品または他産地の商品(役務)に付して販売(提供)している第三者がいてもこれに対抗することが困難でした。
 そこで、今回の法改正で、地域ブランドを積極的に保護するため、本商標を商標登録する「地域団体商標」制度が導入されることになりました。

2. ★地域団体商標の制度とは★

a)対象となり得る者: 例えば「京都府茶協同組合」のような事業協同組合,協業組合,商工組合,農業協同組合などが対象となります。一方、社団法人,財団法人,株式会社,フランチャイズ,商工会議所は対象外となります。
b)対象となる商標: @「商品の産地、役務の提供地など商品(役務)と密接に関係する地域名」+「商品(役務)名」から成る商標であって、A商標の使用により少なくとも近接都道府県に及ぶ範囲で周知性が獲得されているものが対象となります。
 Aについては、カタログおよび新聞広告の記載内容から、実際の取引実状に基づき個々具体的に判断されます。
c)対象となる商品(役務):本商標を付して使用されている商品(役務)が対象となります。

3.地域団体商標に係る権利の制限

 「地域団体商標」として登録された場合、商標権が発生し、不正な第三者に対して差止請求および損害賠償請求の行使ができます。
 但し、通常の商標権と異なり、@商標権の譲渡禁止,A専用使用権の設定禁止,B先使用権の緩和,C無効理由という制限事項があります。

4. ★御相談承ります

以上のように、京ブランドを積極的に保護することができます。ご不明な点につきましては、お気軽に河野特許事務所までご連絡下さい。

以 上

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