「ビジネス方法が特許になる。」2000年に始まったビジネスモデル特許のブームにより、多くの企業がビジネス関連発明について膨大な量の特許出願を行いました。特許庁発表の統計によりますと、特許登録率は8%と極めて低い値となりました(アメリカは11%)。全技術分野の平均登録率が50%前後であることを考慮しますと、いかに特許の取得が困難であるか理解できます。
しかし、この数値に惑わされてはなりません。登録率は低いものの、毎年300件程度ビジネス関連発明について特許が成立しており、特許成立件数は年々増加しています。
このように登録率が低いのは以下の原因が考えられます。一つには、ブームに乗じて同じようなビジネスアイデアが、同時期に大量に出願されたことにあります。すでに公知のアイデア、また手作業で行っていたものをコンピュータ、インターネットを利用して自動化したというだけでは特許は成立しません。もう一つの理由として技術的な検討が出願時に十分になされていないことにあります。すなわち、ビジネス関連発明の本質はビジネスの仕組み自体にあるのではなく、このビジネスを実現するための情報処理技術にあります。この情報処理技術について、十分な検討が出願時になされていないことが多いのです。
登録率が低い一方で、ビジネス関連発明についての特許成立件数が年々増加していることに鑑みれば、以下の点に注意すべきです。
(1) IT関連技術を得意とする特許事務所・弁理士を使う。
ビジネス関連発明の根底は情報処理技術にあります。この分野に精通した特許事務所・弁理士に相談しましょう。
(2) 情報処理技術について十分な検討を行うと共に、将来を見越した新たなアイデアを盛り込む。
出願前における技術的な検討はいうまでもなく重要です。さらに登録率が低いこと及びこの分野の技術的進歩の早さを考慮して、考え得る新たな技術を盛り込んでおくことが肝要となります。
ビジネス関連発明に関するご相談は、弊所弁理士までお気軽にお問い合わせください。
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