〜小売等役務商標制度〜
岡田 充浩 2007.1.5
1 現状 現在、小売業者は、小売業という役務(サービス)についての商標を登録することができません。小売業者は、取り扱う商品に応じて商標を登録する必要があり、手間と費用との負担を強いられます。このように、現行の商標法は、小売業者にとって、利用しがたいものでした。 2 小売等役務商標制度 平成19年4月1日から小売等役務商標制度が始まります。本制度は、小売業者が商品販売に際して行っている顧客に対する便益の提供(品揃え、陳列、接客サービス等からなる総合的なサービス)についての商標を登録することができる制度です。つまり、小売業という役務についての商標を登録することができます。小売業者は、本制度を利用することにより、手間・費用の負担を軽減できます。 3 どのようなものが小売等役務商標になる? 例えば、小売店等における店舗の看板、従業員の制服、ショッピングカート、レジ袋等に使用する商標は、小売等役務商標に該当します。また、既に取扱商品の商標として登録している場合でも、店舗の看板、従業員の制服のみに使用している登録商標は、新たに小売等役務商標として登録することが適切と考えます。 4 小売等役務商標の登録出願での留意点 小売業等と取扱商品とは密接に関係しているので、小売等役務商標の登録は、他人の取扱商品の商標が登録されていることを理由に拒絶される場合があります。従って、小売等役務商標の登録の出願前に、他人の取扱商品の登録商標を調査しておく必要があります。 また、小売等役務商標の登録出願において、小売業として取り扱う商品の分野(例えば、総合小売、衣料品の小売、飲食料品の小売、家電の小売など)を指定する必要があります。従って、小売等役務商標の登録の出願前に、取り扱う商品の分野を検討しておく必要があります。 ◆ 小売等役務商標についての御相談が御座いましたら、お気軽に河野特許事務所までご連絡下さい。 |
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