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執筆者 弁理士 河野英仁
2010年7月10日
1.概要 Bilski(以下、申立人という)はヘッジ取引*1に関する発明の特許化を試みた。USPTOは抽象的なアイデアにすぎず米国特許法第101条に規定する方法(process)に該当しないと判断した。 CAFC大法廷*2は方法が特許性を有するか否かの判断基準として従来確立されていたステートストリートバンク事件*3(以下、SS事件)における「有用、具体的かつ有形の結果(Useful, Concrete and Tangible Result)」テストを排除し、機械・変換テスト(machine or transformation test)が唯一の基準であると判示した*4。その上で、申立人のヘッジ取引に関する発明は、当該機械・変換テストを具備しないことから米国特許法第101条に規定する「方法」に該当せず、特許性がないと判示した。 最高裁では、CAFCが確立した機械・変換テストが妥当であるか、及び、そもそもビジネス方法は特許性を有するのか否かが主な争点となった。 最高裁は、米国特許法第101条の条文の文言及び過去の判例に基づき、機械・変換テストが唯一の基準であるとしたCAFCの判示を否定した。またビジネス方法特許に対する抗弁として認められる先使用権に係る米国特許法第273条(b)(1)を根拠に、ビジネス方法自体の特許性は否定されないと判示した。 その上で、最高裁は、過去の判例に基づき、申立人のヘッジ取引に関する発明は抽象的なアイデアにすぎないことから、特許性がないとしたCAFCの判断を支持する判決をなした。 2.背景 (1)発明の内容 申立人の出願(出願番号08/833,892)に係る発明は、エネルギー市場における商品の購買者と販売者が、如何にして価格変動のリスクに対する保護、すなわち分散リスクを回避できるかについて保護を求めるものである。争点となったクレームは1及び4である。クレーム1*5の内容は以下のとおりである。 1.定価にて商品提供者により販売される商品の消費リスクコストを管理する方法であって以下のステップを含む (a)前記商品提供者と前記商品の消費者との間の一連の取引を開始するステップであり、前記消費者は、過去の平均に基づき定率で前記商品を購入し、前記定率は前記消費者のリスクポジション(risk position)に関連し、; (b)前記消費者に対し対抗リスクポジションを有する前記商品のために市場参加者を特定するステップ;and (c)前記市場参加者による一連の取引が前記消費者の一連の取引に係るリスクポジションの平衡を保たせるように、第2定率で前記商品提供者と前記市場参加者との間の一連の取引を開始するステップ. クレーム1は如何にしてリスクをヘッジするかの一連のステップを記述している。クレーム4はクレーム1のコンセプトに対し数学的公式を加えたものである。 残りのクレームはエネルギー提供者及び購買者に、市場のエネルギー需要における変動から生じるリスクを最小限とする点等を記載している。例えばクレーム2*6は、以下の如く記載している。 2.クレーム1の方法であって、前記商品はエネルギーであり、前記市場参加者は電力流通業者である。 これらのクレームはクレーム4の公式において使用する入力値を決定するために普遍の統計的アプローチを提案している。例えば、クレーム7は、販売者が「過去の天候パターンに基づき、または、各取引から」どれだけ利益を得ることができるかを決定するための公知のランダム分析技術を提案している。 (2)USPTOの判断 特許庁審査官は申立人の出願を、米国特許法第101条の規定に基づき拒絶した。理由は以下のとおりである。 当該発明は特定の装置を使用しておらず、また抽象的なアイデアを操作しているに過ぎず、実用的な適用に対するいかなる構成も記載することなく純粋な数学的問題を解決するものであり、技術上の物(article)ではない*7。 これに対し審判部も、当該出願は物理的な物を変換するものではなく、心理的なステップだけをクレームしており、単なる抽象的なアイデアにすぎないとして、米国特許法第101条に規定する法定主題でないと判断した*8。 (3)CAFC大法廷の判断 CAFC大法廷はUSPTOの判断を支持する判決をなした。CAFCは発明が米国特許法第101条における「方法(process)」であるか否かを決定するために過去の判例により既に確立されていた基準を否定した。 この基準は、発明が「有用、具体的かつ有形の結果(Useful, Concrete and Tangible Result)」を有するのであれば特許性有りとするものであり、SS事件等において確立されていた*9。 CAFC大法廷はクレームされた方法が米国特許法第101条のもと特許性があるか否かは以下のいずれかの条件を満たさなければならないと判示した*10。 (I)クレームされた方法が特別な機械または装置に関係していること、 または (II)特別な物(article)を異なる状態または物体へ変換していること これは機械・変換テストと呼ばれ、CAFCは当該基準が、唯一の基準であると判示し、申立人の出願は特許性がないと判断した。申立人はこれを不服として最高裁へ上告した。 3.CAFCでの争点 争点1:機械・変換テストが唯一の基準か否か? CAFCは、方法発明が特許法第101条に規定する「方法」に該当するか否かの基準として、「機械・変換テスト」を唯一の基準として判断したが、当該判断が妥当か否か争点となった。 争点2:ビジネス方法は、そもそも特許法による保護対象となるのか否か? ビジネス方法として分類される発明が、そもそも特許法第101条に規定する「方法」として保護されるか否かが問題となった。特にビジネス方法特許に対する先使用権の抗弁規定である米国特許法第273条(b)(1)との関係が問題となった。 争点3:申立人の出願に係る発明は米国特許法第101条に規定する「方法」に該当するか否か? 争点1及び争点2が解決したとして、申立人の出願に係る発明が米国特許法第101条に規定する「方法」に該当するか否かが争点となった。 4.CAFCの判断 争点1:米国特許法第101条の規定に不当な制限を課すことから、機械・変換テストを唯一の基準とすべきではない。 (1)条文解釈 最高裁は、米国特許法第101条の文言、及び、過去の判例に基づけば、米国特許法第101条に不当な制限を課すことから、機械・変換テストを唯一の基準とするCAFCの判断を否定した。その一方で、特許法第101条の方法に該当するか否かの有用な一つのツールであるとして、依然有効であると判示した。 米国特許法第101条*11は以下のとおり規定している。 新規かつ有用な方法,機械,製造物若しくは組成物,又はそれについての新規かつ有用な改良を発明又は発見した者は,本法の定める条件及び要件に従って,それについての特許を取得することができる。 米国特許法第101条は、広範な規定であり、これ以上は何ら規定していない。しかし、過去150年間最高裁判例により、「新規かつ有用」との規定に鑑み、以下の3つについては特許性が無いものとして判示されている。 自然法則、 物理的現象、及び、 抽象的なアイデア*12 これらの3つによりカバーされる概念は、「全ての人間の知識の宝庫に係る部分であり、全ての者にとって自由であり、誰にも独占されるべきではない」からである*13。 最高裁は、議会が言及していない制限及び条件を、裁判所が組み込むべきではないと何度も警告している*14。特に最高裁は、米国特許法第101条においては、「自然法則、物理的現象、及び、抽象的なアイデア」を排除するという十分に確立された判例が存在するにもかかわらず、法による自由裁量権として法令の文言、目的及び設計にそぐわない他の制限を課してはならないと述べた。 何が「方法」を構成するかについて、機械・変換テストを唯一の基準として採用することは、これら法令解釈の原則に反するものである。米国特許法第100条(b)*15は、「「方法(process)」というときは,方法(process),技法(art)又は手段(method)をいうものとし,既知の方法,機械,製品,組成物又は材料の新規用途を含む。」と規定している。しかしながら、当該規定によっても、「機械または物の変換」に結びつくことはない。 以上の理由により、機械・変換テストを唯一の基準としたCAFCの判断を否定した。 (2)過去の判例分析 最高裁はその一方で、機械・変換テストは依然として有用なツールであると判示した。 最高裁は、過去Cochrane事件*16において、「方法」は「変換され、異なる状態または物へ変形させるべく法定主題に対して実行される行為(act)、または一連の行為」と判示しおり、確かに機械・変換テストは有用なツールであることを認めた。その一方で同事件においては、機械・変換テストを満たさなければ、方法特許が成立しないとする判断を明確に拒絶している。 (3)技術の進化について さらに、最高裁は、過去の産業時代と比較すれば、技術は多様な方向へ進化しており、機械・変換テストだけでは新たな技術についての特許性を判断できず、また、現段階において一律の基準を策定する必要もないと判示した。 産業時代の初期においては、機械・変換テストを満たさない方法発明は、ほぼ米国特許法第101条に規定する「方法」に該当しないといえる。しかしながら、技術は日々変化するものであり、コンピュータプログラムのように当時では予期できない、発明が発生する。米国特許法第101条は、新規であり予見できない発明を含むよう設定された活動的(ダイナミック)な規定であり*17、予期できない発明について特許保護を否定することとなれば、特許法の目的に反することとなる。 また、多くの法廷助言意見(amicus briefs)が主張しているように、機械・変換テストは、ソフトウェア、進化した診断医学技術、リニアプログラミング、データ圧縮、及びデジタル信号の操作に基づく発明の特許性に関し、不確定さを生じさせる可能性がある。 以上の理由により、最高裁は、機械・変換テストは、有用な判断基準であるものの、唯一の基準ではないと判示した。さらに、最高裁は新たな技術が発生した場合に、本事件と同じような議論が生じる可能性があることに言及した上で、現段階において特定分野における米国特許法第101条の適用基準については、敢えて判示しないと述べた。 争点2:ビジネス方法は米国特許法第101条に規定する「方法」に該当する。 最高裁は、条文の文言及び米国特許法第273条の規定に鑑み、ビジネス方法は、米国特許法第101条に規定する「方法」に該当すると判示した。 「方法」の辞書的な意味*18においても、また「普通の、最新の、一般的」な意味のどちらにおいても、「ビジネス方法」を排除していない。さらには、ビジネス方法特許を禁止する範囲も明確ではなく、効率よくビジネスを行うことの技術を排除するかどうかも明らかでない*19。 最高裁は、さらに米国特許法第273条(b)(1)の規定により、ビジネス方法が米国特許法第101条に規定する「方法」でないとする主張は排除されると述べた。 米国特許法第273条(b)(1)*20は以下のとおり規定している。 (b) 侵害に対する抗弁 (1) 全般 ある者に対して,抗弁がなければ,特許の中の方法に係る1 又は2 以上のクレームを侵害すると主張される主題に関する,第271 条に基づく侵害訴訟に対しては,当該人が善意で,当該特許に係る有効な出願日より少なくとも1 年以上前にその主題を現実に実施化しており,かつ,当該特許に係る有効な出願日前にその主題を商業的に使用していたことは,抗弁であるものとする。 米国特許法第273条(b)(1)の規定に基づけば、特許権者が特許された方法に基づき侵害を主張した場合、被疑侵害者は先使用権を抗弁として主張できる。米国特許法第273条(a)(3)においては、この抗弁の目的に関し、「方法(method)」とは,事業を行う又は運営する方法と定義されている*21。換言すれば、当該抗弁を認めることにより、特許法自身が、ビジネス方法の存在を認めていることとなる。 当該規定が存在しながら、ビジネス方法をいかなる状況においても特許性なしとする判断は、米国特許法第273条を制定した意味を滅却し、また当該規定を無用とする判断は議会の法制定趣旨に反することとなる*22。 また最高裁は、特許性ある法定主題に合致するビジネス方法として適正に記載された少なくともいくつかのプロセスが存在し、米国特許法第101条は、これらについて登録の可能性の門戸を開放していると述べた。その開放の一方で、ビジネス方法が特許を受けるためには、クレームされた発明が新規性を有し(米国特許法第102条)、非自明であり(米国特許法第103条)であり、さらに記載要件を具備(米国特許法第121条)しなければならないことを要求している。これらの制限規定は、発明保護による革新に対する刺激と、特許保護による阻害との間の調和を果たしていると述べた。 以上の理由により、最高裁は、ビジネス方法は米国特許法第101条に規定する「方法」から排除されないと判示した。 争点3:出願に係る発明は抽象的なアイデアであり、特許性はない。 申立人はリスクヘッジの概念、及び、エネルギー市場への当該概念の適用について権利化を求めている。最高裁は、何ら基準を示すことなく、以下に述べる過去の3つの判例に基づき申立人の出願に係る発明は抽象的なアイデアにすぎず、特許法第101条に規定する「方法」に該当しないと判示した。 (1)Benson事件*23 Benson事件において、最高裁は、2進化10進数(BCD)形式にあるデータを、純粋なバイナリ形式へ変換するアルゴリズムに関する特許出願が、米国特許法第101条に規定する「方法」であるかどうかを検討した。 最高裁は最初に、「抽象的なアイデアにおける法則は、基本的な真理であり、発端であり、真意であり、これらは特許されるべきではない」と述べた。これらは、何人にも使用させる必要があるものであり、独占権を付与すべきではないからである。当該アルゴリズムについて権利を付与すれば、完全に数学的公式についての権利を先取り(pre-empt)させることとなる。 以上の理由により、出願に係る発明は単なる抽象的アイデアであり、米国特許法第101条に規定する「方法」でないと判断した。 (2)Flook事件*24 Flook事件において、最高裁は、Benson事件よりもさらに一歩進んで分析を行った。出願人は、石油化学製品及び精油産業において、触媒変換プロセスの間、状態を監視する方法について特許化を試みた。 Flook事件における発明の唯一の革新(innovation)は、数学的アルゴリズムにある。ただし、出願人は、数学的アルゴリズムを石油化学製品及び製油産業への適用に限定している点で、Benson事件におけるアルゴリズムそのものとは相違する。すなわち、第3者は当該数学的アルゴリズムを他の分野において使用することができるのである。 しかしながら最高裁は、出願に係る発明は、数式を特定の分野に応用したものであるが、実質的に数学的アルゴリズムを先取りするものであり、特許出願全体として何ら特許性ある発明を含んでいないことから、米国特許法第101条に規定する「方法」に該当しないと判示した。このように、数学的アルゴリズムの使用を、ある特定の分野への使用に限定したとしても、迂回して特許化することはできないと判示した。 (3)Diehr事件*25 Diehr事件はBenson事件及びFlook事件にさらなる制限を加えたものである。Diehr事件におけるクレームには、硬化合成ゴム製品を製造するための方法が記載されていた。この方法は、コンピュータにより、硬化の際の温度を取得し、硬化が完了する際の時間を算出するために、数学的アルゴリズム(Arrhenius方程式)を使用するものである。 Diehr事件においては、抽象的なアイデア、自然法則、または数学的方式は特許されないが、「自然法則または数学的方式の公知の構造またはプロセスに対する適用は、特許の保護を受けるに値する」と判示された。Diehr事件において、発明者は数学的アルゴリズムにそのものに特許を求めているのではなく、逆に、数学的アルゴリズムを用いて、合成ゴムを硬化するプロセスに保護を求めている。以上の理由により、最高裁は出願に係る発明は、米国特許法第101条に規定する「方法」に該当すると判示した。 (4)本事件への適用 最高裁は、これら3つの判例に照らし、申立人に係る発明は米国特許法第101条に規定する「方法」に該当しないと判断した。 申立人のクレーム1及び4は、ヘッジングの基本的コンセプト、または、リスクに対する保護を記載している。ヘッジングは、経済社会システムにおいて古くから普及している基本的な経済プラクティスであり、経済学の入門授業においてさえ解説されている事項である。 クレーム1に記載したヘッジングの概念は、Benson事件及びFlook事件におけるアルゴリズムと同じく、特許されない抽象的なアイデアである。最高裁は、Flook事件は特定分野への限定を行っているが、申立人の発明はさらにそれ以下の根本的なヘッジングの抽象的アイデアを権利化しようとしている。 最高裁は、申立人に当該リスクヘッジングに係る特許を認めれば、当該分野におけるこのアプローチの使用を先取りさせることとなり、ひいては抽象的アイデアの独占を認めることとなると判示した。 最高裁は以上の3つの判例に照らし、申立人の出願に係る発明は単なる抽象的なアイデアであり、米国特許法第101条に規定する「方法」に該当しないと判断した。 最高裁は過去に形成された機械・変換テストは、有効なツールの一つとして認めた。しかしながら、米国特許法第101条において定義された法文を逸脱し、また、Benson事件、Flook事件及びDiehr事件における判示事項を超えて、特許性ある法上の「方法」発明を判断する上での新たな基準を確立することを拒絶した。 5.結論 最高裁は、申立人に係る方法発明は、特許法第101条に規定する「方法」に該当しないとしたCAFCの判断を支持した。その一方で、機械・変換テストが保護適格性を判断する上での唯一の基準としたCAFCの判決を否定し、さらに新たな判断基準を明確化することをも否定した。 6.コメント 最高裁は、出願に係る発明が、特許法第101条に規定する方法発明に該当するか否かの判断基準を具体的に判示しなかった。現段階では、如何なるビジネス関連発明が保護適格性を有するかは不明な状態にあり、今後も同様の争いが起こる可能性がある。 その一方で、ビジネス方法発明は、明確に米国特許法の保護対象に該当すると判示し、さらに、CAFCが確立した機械・変換テストも唯一ではないが、依然として有効なツールであることも判示した。 実務上は、機械・変換テストが依然として有効と確認されたことから、当面は機械・変換テスト*26に沿った形で権利化処理を行えば特に問題はない。また、判決後、USPTOは本判決に沿ったガイドラインを発行すると述べた*27。ガイドライン発行後は、このガイドラインに従った対応をとることが必要とされる。ガイドラインの内容は追って報告する予定である。 判決 2010年6月28日 以上 |
【関連事項】 判決の全文は連邦巡回控訴裁判所のホームページから閲覧することができます[PDFファイル]。 http://www.cafc.uscourts.gov/opinions/09-1216.pdf 【注釈】 *1 ヘッジ取引:「先物価格が現物価格と連動した動きをする性質を利用して、現物市場と反対の取引を先物市場で行うことによって、価格変動によるリスクを抑制または排除することができます。このような目的の取引を「ヘッジ取引」といいます。」 東京工業品取引所HPより。 *2 en banc:大法廷(オンバンク)。事件の重要性に鑑み、裁判官全員によるヒアリングが行われる。 *3 State Street Bank & Trust Co. v. Signature Financial Group, Inc., 149 F.3d 1368 (Fed. Cir. 1998) *4 In re Bilski, 545 F. 3d 943, 959–960, and n. 19 (CA Fed. 2008) (en banc). *5 クレーム1は以下のとおり。 1. A method for managing the consumption risk costs of a commodity sold by a commodity provider at a fixed price comprising the steps of: (a) initiating a series of transactions between said commodity provider and consumers of said commodity wherein said consumers purchase said commodity at a fixed rate based upon historical averages, said fixed rate corresponding to a risk position of said consumer; (b) identifying market participants for said commodity having a counter-risk position to said consumers; and (c) initiating a series of transactions between said commodity provider and said market participants at a second fixed rate such that said series of market participant transactions balances the risk position of said series of consumer transactions. *6 “[t]he method of claim 1 wherein said commodity is energy and said market participants are transmission distributors.” *7 App. to Pet. for Cert. 148a *8 Ex parte Bernard L. Bilski and Rand A. Warsaw, Appeal No. 2002-2257 Application 08/833,8921 (Bd. Pat. App. & Int. 2006) *9 State Street Bank & Trust Co. v. Signature Financial Group, Inc., 149 F. 3d 1368, 1373 (1998), and AT&T Corp. v. Excel Communications, Inc., 172 F. 3d 1352, 1357 (1999). See In re Bilski, 545 F. 3d 943, 959–960, and n. 19 (CA Fed. 2008) (en banc)) *10 In re Bilski, 545 F. 3d 936–966, (CA Fed. 2008) (en banc)) *11 米国特許法第101条は以下のとおり規定している。 Whoever invents or discovers any new and useful process, machine, manufacture, or composition of matter, or any new and useful improvement thereof, may obtain a patent therefor, subject to the conditions and requirements of this title. *12 Diamond v. Chakrabarty, 447 U. S. 303, 308 (1980) *13 Funk Brothers Seed Co. v. Kalo Inoculant Co., 333 U. S. 127, 130 (1948) *14 Diamond v. Diehr, 450 U. S. 175, 182 (1981) *15 米国特許法第100条(b)の規定は以下のとおり。 35 U.S.C. 100 Definitions. When used in this title unless the context otherwise indicates - (b)The term “process” means process, art, or method, and includes a new use of a known process, machine, manufacture, composition of matter, or material. *16 Cochrane v. Deener, 94 U. S. 780, 788 (1877) *17 J. E. M. Ag Supply, Inc. v. Pioneer Hi-Bred Int’l, Inc., 534 U. S. 124, 135 (2001) *18 Webster’s New International Dictionary 1548 (2d ed. 1954)辞書における「method」は規則正しい手続きまたはプロセス、規則正しい手段、または何かをすることの仕方として定義されている。 *19 Hall, Business and Financial Method Patents, Innovation, and Policy, 56 Scottish J. Pol. Econ. 443, 445 (2009) *20 米国特許法第273条(b)(1)の規定は以下のとおり。 (b) DEFENSE TO INFRINGEMENT.— (1) IN GENERAL.— It shall be a defense to an action for infringement under section 271 of this title with respect to any subject matter that would otherwise infringe one or more claims for a method in the patent being asserted against a person, if such person had, acting in good faith, actually reduced the subject matter to practice at least 1 year before the effective filing date of such patent, and commercially used the subject matter before the effective filing date of such patent. *21 米国特許法第273条(a)(3)の規定は以下のとおり。 (3) the term “method” means a method of doing or conducting business *22 Corley v. United States, 556 U. S. ___, ___ (2009) (slip op., at 9) *23 Gottschalk v. Benson, 409 U. S. 63, 70 (1972) *24 Parker v. Flook, 437 U. S. 584, 588–589 (1978) *25 Diamond v. Diehr, 450 U. S. 175, 182 (1981) *26 CAFC大法廷判決後に公開されたUSPTOの内部インストラクション詳細については以下を参照されたい。 http://www.knpt.com/contents/cafc/2009.0910/2009.0910.html *27 http://www.uspto.gov/news/pr/2010/10_30.jsp ◆ここに示す判決要約は筆者の私見を示したものであり、情報的なものにすぎず、法律上の助言または意見を含んでいません。ここで述べられている見解は、必ずしもいずれかの法律事務所、特許事務所、代理人または依頼人の意見または意図を示すものではありません。 ◆セミナーのご案内 『5極特許セミナー開催のご案内』は河野特許事務所ホームページよりご覧頂けます。 http://www.knpt.com/contents/seminar/2010.07.01/2010.07.01.html ◆『米国特許判例紹介』のバックナンバーは河野特許事務所ホームページ よりご覧頂けます。 http://www.knpt.com/contents/cafc/cafc_index.html ◆『中国特許判例紹介』のバックナンバーは河野特許事務所ホームページ よりご覧頂けます。 http://www.knpt.com/contents/china/china_index.html ◆ 特許関連News『ソフトウェア特許に関する侵害訴訟事件 ~スマートフォンを巡る特許訴訟~』は河野特許事務所ホームページよりご覧頂けます。 http://www.knpt.com/contents/news/news00124/news124.html |
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