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米国特許法新規則の施行は一時停止

    

執筆者 弁理士 河野英仁
2007年11月1日

 バージニア州東地区地方裁判所は、新規則の施行を停止する仮処分命令をなした。この新規則は11月1日施行予定であったが、土壇場になって仮処分命令が出された。新規則は、クレーム数の上限規制(独立クレーム5まで、総合25クレームまで)、並びに、継続出願数及び継続審査請求(RCE)数の上限規制(継続出願は2回まで、RCEは1回まで)を骨子とするものである。

 米国特許商標庁(USPTO)が新規則を発表した後、GlaxoSmithKline社を含む原告らが新規則の施行停止を求めて、連邦地裁に提訴した。連邦地裁は10月31日原告らの主張を認めた。これにより、11月1日の新規則の施行は停止されることになり、当面のUSPTOにおける審査は、2007年10月31日現在有効の規則に則って行われる。

 この施行停止は仮処分であり、USPTOがこの処分取消を求めてAppealする可能性もあり、今後の動向は不透明である。当面の対応としては、
(1)新規則の導入可能性を予期して、新規則に則ったプラクティスを行う方法と、
(2)現在のプラクティスどおりに行う方法との二つが考えられる。

 筆者は、今後のUSPTOの動向にもよるが、(1)の方法を意識しつつ、(2)の方法を採用することが良いと考える。すなわち、クレーム数は5/25ルールに従いつつ、継続出願及びRCEに関しては、事件の重要性に応じて積極的に行うべきと考える。

 クレーム数に関しては出願の段階で、複数の出願に分ける、または、クレーム数を抑える等により、比較的容易に対応することができる。その一方で、継続出願及びRCEに関しては回数を意識して審判請求をするよりも、新規則の施行が確定していない状況下においては、審判と比較して費用をセーブでき、また、権利範囲の設定が比較的自由に認められる継続出願及びRCEを積極的に行うべきと考える。

また新たな情報が得られ次第レポートする予定である。

USPTOの発表事項
http://www.uspto.gov/
以 上

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