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特許審査ハイウェイの活用のお勧め

〜権利取得を低コストで早期に〜

2010.2.1 野口 富弘

  特許審査ハイウェイとは、自国で特許可能と判断された特許出願について外国において簡易な手続で早期審査が受けられる制度です。2006年7月に日米間で試行プログラムが開始され、現在では日本と12の国・地域(米国、韓国、英国、ドイツ、デンマーク、フィンランド、ロシア、オーストリア、シンガポール、ハンガリー、カナダ、EPO)との間で実施されています。
  日本で行った特許出願に基づいて米国へ申請するケースについて、特許審査ハイウェイの概要をご説明します。

1.特許審査ハイウェイの要件
  米国で特許審査ハイウェイの対象となるのは、次の要件を満たすものです。
@ 日本出願又はPCT出願を基礎とする優先権主張を行った米国出願又はPCT出願であること。なお、優先権主張を伴わないPCT出願も対象となります。
A 日本出願(日本への国内移行出願を含む)が特許可能と判断された請求項を有すること。
B 米国出願(米国への国内移行出願を含む)のすべての請求項と日本出願の特許可能と判断された請求項とは翻訳および請求項の形式要件による違いがあっても同等の権利範囲であること。
C 米国出願が審査着手されていないこと。審査着手前に申請するためには、日本で早期審査を申請して日本で早期に特許を受けることが大切です。

2.申請手続
  必要な提出書類は、日本出願で特許可能とされた請求項の写しとその翻訳文、日本出願で特許可能とされた請求項と米国出願の請求項との対応表、特許査定の直前の拒絶理由通知書の写しとその翻訳文などです。ただし、請求項の写し、拒絶理由通知書の写しとその翻訳文の提出は省略できる場合があります。  また、先行技術調査結果や発明の特許性を説明する早期審査補助文書の提出などの早期審査の厳しい要件を回避することができます。

3.メリット
@ 2008年末時点で、米国での特許出願の特許率は44%ですが、特許審査ハイウェイを利用して日本から米国へ特許出願した場合には95%と高い特許率になっており、権利取得の予見性が高まります。
A 米国では、出願から審査着手までの審査待ち期間が約2年であるのに対し、特許審査ハイウェイを利用した場合には、早期審査の要件制限を受けることなく申請から2−3ヶ月で審査着手されています。
B オフィスアクションを受ける回数が減り、それに伴うコストの削減をすることができ、権利取得の費用を節約することができます。

◆特許審査ハイウェイを有効に活用すれば、海外での権利取得を低コストで早期に実現することが可能となります。海外での権利取得については、お気軽に河野特許事務所までお問い合わせください。

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