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グリーン早期審査請求の活用


2010.5.1 安田 恵

  通常の特許出願が約2年の審査期間を要するのに対して、優先的に審査が行われる早期審査では約3ヶ月で審査結果が得られます。早期審査の運用は昭和61年2月から開始され、これまで、早期審査の適用範囲が拡大・運用の見直しが度々行われて来ました。今回、地球温暖化に代表される環境問題が深刻化していく中、いわゆるグリーン技術に関する研究開発の成果をいち早く保護し、更なる研究開発の促進を図るため、「グリーン関連出願」が早期審査対象に加えられました。

☆早期審査対象
 早期審査対象が新たに追加されたことにより、現在、早期審査の対象は、@中小企業・個人、大学等の出願、A外国関連出願、B実施関連出願、Cグリーン関連出願の4つになりました。早期審査の申請手続きは、特許出願が@に該当する場合、A〜Cに該当しても、@中小企業・個人、大学等の出願として申請すべきです。@で出願する場合、(i)先行技術調査、(A)出願発明と、先行技術の対比説明が不要であり、申請手続きが最も簡便だからです。@以外の出願については、該当事由の説明が容易なものを選択します。A及びBの該当事由の説明は比較的容易であるため、@〜Bのいずれにも該当しない場合、Cグリーン関連出願としての申請を検討すべきです。

☆グリーン早期審査の申請手続
(1)早期審査の事情説明  出願された発明が、グリーン発明であることの合理的な理由を、明細書の記載に基づいて説明する必要があります。グリーン発明とは、「省エネ、CO2削減等の効果を有する発明」をいいます。また、環境に貢献する発明を広く早期審査の対象とする観点から、グリーン発明は広義に解釈すべきとされ、省エネ、CO2削減に限定されず、省資源、環境負荷低減等の効果を有する発明もグリーン発明に含まれます。また、合理的な理由を記載する際、以下の二点に留意する必要があります。
(ア)グリーン関連出願であるか否かは、技術分野では無く、発明が奏する効果で判断されます。
(イ)事情説明は、明細書の記載に基づいて行う必要があります。
(記載例)請求項1に記載された「○○」装置は、××の燃焼効率を高めることによる省エネルギー効果を有するものである(段落【○○○○】を参照)。

(2)先行技術の開示及び対比説明
 出願発明と、先行技術の内容とを比較し、両者の相違点及び技術的効果を記載します。

■ グリーン早期審査については、河野特許事務所まで、お気軽にご相談ください。

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