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本特許は【図1】に示すように切り餅の側面に切り込み3を入れることを特徴とします。特許請求の範囲には以下のとおり記載されています。
「・・・切餅の載置底面又は平坦上面ではなくこの小片餅体の上側表面部の立直側面である側周表面に,この立直側面に沿う方向を周方向としてこの周方向に長さを有する一若しくは複数の切り込み部又は溝部を設け,」
【図1】
【図2】
一方、被告製品には【図2】に示すように側周表面12の切り込み部13に加えて上面17にも切り込み部18が設けられています。裁判では「載置底面又は平坦上面ではなく・・・側周表面に」の文言解釈が問題となりました。
第1審である東京地方裁判所は明細書の記載に鑑み、従来考えられていた「平坦上面」には切り込み部を設けず、「上側表面部の立直側面である側周表面」のみに切り込み部を設けることを意味するものと解するのが相当と判断し、上面にも切り込み部のある被告製品は特許権侵害には当たらないとの判決を下しました。原告はこれを不服として知的財産高等裁判所に控訴しました。
知的財産高等裁判所は、特許請求の範囲及び明細書の記載に鑑みれば「載置底面又は平坦上面ではなく」との記載は、「側周表面」であることを明確にするための記載であると判断しました。すなわち、単に「側周表面」に切り込みを設けることを明確化するための記載であり、上面に切り込み部を設けることを権利範囲から除外するものではないと判断し、特許権侵害を認める判決をなしました。
この判決は中間判決であり、現在裁判所ではどの程度まで損害賠償額を求めるかについて争われています。
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