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"ビジネスモデル特許"に対する誤解

~特許となり得るものを見極めよう~

2012.11.7 八木 まゆ

 ◆「ビジネスモデル特許」
 営業方法そのものは特許の対象とならないことは広く知られつつあります。一方で、他者に真似されたくない独自の事業を開始しようとしたときに"ビジネスモデルに関しては特許はとれないはず…"と逆に誤解されていることがあります。
 特許庁では、「ビジネスモデル特許」を「ビジネス関連分野」のコンピュータ・ソフトウェア関連発明、即ちコンピュータを使用して行なう情報処理の発明として特許とすることを認めています。

 特許として認められないものと認められるものの具体例として例えば、生年月日などの情報に基づき個性診断情報を提供するシステムという発明は、コンピュータを使用しているとしても特許として認めないと判断されている判例(平成15年行ケ540号)に対し、被験者に色の選択と個性情報を入力させ、個性情報に対する診断を実行し、個性診断結果に基づいて被験者の個性色の判定を実行し、判定結果の個性色を表示するというシステムには特許査定がなされています(特許4750554号)。
  特許として認められなかった前者は、生年月日等の変数と診断結果である個性類型とをどのように対応させるかは人為的な取り決めに過ぎないと判示されています。後者でも前者同様に、入力された個性情報(生年月日等)に基づく診断が実行されるのですが、他の要件も含むこともあって発明として認められています。人為的な取り決めに過ぎないものであるか否かについては、判断が分かれる場合もあります。
  特定の使用目的に応じてコンピュータを使用して特有の機能、動作を実現する手順、方法を具備するものであれば、ビジネスを実現するために用いる装置、又はシステム(サーバ及びクライアント)について、そしてこれらを実現させるソフトウェアの特許を取得することが可能です。

  昨今では、ビジネスモデル特許に関する審査基準が出願人及び代理人に浸透したことにより、下記審査状況を示すグラフ(特許庁HPより引用)でも分かるように、特許査定がなされる割合も4割近くまで上昇しています。
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  なお米国では、営業方法等自体の特許の可能性は否定されていませんでしたが、2010年にBilski事件の最高裁判決が出され、コンピュータを使用しないビジネスモデル特許は認められていません。ただし、日本よりは「ビジネスモデル特許」について比較的、認められやすい傾向にあります。

◆国内外のソフトウェア関連発明について、河野特許事務所までお気軽にご相談ください。

 

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