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PCT特許審査ハイウェイの活用法

~海外特許のみならず日本での早期権利化も可能に~

2012.12.1 安田 恵

☆PCT特許審査ハイウェイ(PCT-PPH)の概要
 特許協力条約(PCT : Patent Cooperation Treaty)に基づく国際出願制度とは、一つのPCT出願を行うことで、指定したすべてのPCT加盟国に特許出願を行ったこととみなされる制度です。PCT出願で日本を指定した場合、そのPCT出願は日本特許出願として取り扱われます。  一方、PCT出願を行った際に国際調査機関が作成する見解書で特許性「有り」の見解が示された場合、その成果物を利用した早期権利化が可能になっています(PCT-PPH(Patent Prosecution Highway))。

☆PCT出願の成果物を用いた日本特許の早期権利化
 PCT-PPHでは、日本でのPCT出願の成果物を外国での特許早期権利化に用いることができます。また、外国のみならず、PCT出願で指定された日本特許出願の早期権利化にも利用することができます。以下では、日本でPCT出願を行った場合を前提にして、上記日本特許出願の早期権利化の方法を説明します。

1.主な要件
①日本で行ったPCT出願に対して国際調査機関から示された見解書(WO/ISA)において、特許性「有り」と示された請求項が少なくとも一つ存在すること。
②PCT出願に対応する日本特許出願のすべての請求項が、上記見解書において特許性有りと示された請求項に対応していること。見解書で特許性「無し」と示された請求項がある場合、特許性「無し」とされた請求項を削除する補正を行う必要があります。
③必要に応じて上記補正を行った後、日本特許出願の出願審査請求を行うこと。

2.手続き
 日本特許出願の請求項と、見解書で特許性「有り」と示された請求項との対応表を「早期審査に関する事情説明書」に添付して特許庁へ提出します。
参考)http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/pph_pct/kinyuu_pct.htm

3.メリット
 日本で特許性が認められる可能性が高く、早期権利化も可能になります。特許庁によって日本特許出願が拒絶される可能性が低いため、拒絶に対応するための人的負担、費用負担を軽減することができます。

◆PCT出願についてのご質問は、河野特許事務所までお気軽にご相談ください。

 

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