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2013.2.1 近藤志津雄
企業活動において発明がなされたとき、その発明について特許出願をすべきか、それともノウハウとして秘密にすべきかという問題がしばしば生じます。特許出願をした場合、発明内容が特許庁から公開されるため、その発明は他社に知られます。他方、発明を他社に知られたくない場合、ノウハウとして秘密管理を行う必要があります。
特許出願とノウハウ管理の選択基準
物の発明は特許出願をし、方法の発明はノウハウとして秘密にするという選択基準があります。発明に係る製品を製造販売した場合、購入者はその製品を自由に分解することができます。そして、リバースエンジニアリングにより、発明内容が購入者に簡単に知られてしまう場合があります。その典型例は機械分野の製品です。そのため、物の発明はノウハウとして秘密にするよりも、特許出願を行ない、特許権の付与を受けるべきです。
他方、方法の発明(特に物を製造する方法の発明)の場合、自社の工場内で実施している限り、部外者に発明内容が知られることはないため、特許出願をしてわざわざ競業他社に発明内容を教えることは得策ではありません。また、方法の発明について特許を取得しても、特許権者は侵害者の工場を探索することができないため、権利侵害を立証することが困難です。
方法の発明をライセンスする場合
秘密にすることができる方法の発明であっても、第三者にライセンスをする場合、特許出願をすべきです。ノウハウのライセンスは可能ですが、仮にそのノウハウが外部に漏れた場合、当事者間でノウハウを漏らした主体をめぐって争いが起こりかねません。そこで、無用な争いを未然に防ぐためには、発明内容は公開されますが、特許出願をし、取得した特許を第三者にライセンスすべきです。
ノウハウの秘密管理
方法の発明、どうしても他社に知られたくない発明又は特許性が低い発明は、ノウハウとして秘密管理をする必要があります。また、物の発明であっても、分析が困難な組成物の発明は、容易に内容が知られないので、ノウハウ管理を選択すべきです。その際、万が一ノウハウが漏洩した場合に備えて、不正競争防止法により営業秘密として保護されるように、物及び人の両者について厳格な管理をする必要があります。不正競争防止法の営業秘密とは、技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものです。法案起草担当者の解釈、判例及び学説に共通する秘密管理要件は、以下の通りです。
①営業秘密にアクセスできる者が限定されていること
②営業秘密にアクセスした者にそれが営業秘密であることを認識できるようにしていること
◆ 特許出願・秘密管理について質問がございましたら、お気軽に河野特許事務所までご連絡ください。
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