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2013.8.1 大竹 康友
製品の製造・販売を海外で行う場合、その国で特許権等の知的財産を保護する権利を取得しておく必要があるのは言うまでもありませんが、外国でそのような権利を所有していても実際に模倣品や海賊版が出回っている場合に、侵害者を特定したり侵害状況を正確に把握したりすることは難しいのではないでしょうか。このような事情に鑑み、ジェトロ(日本貿易振興機構)では、侵害品の製造元や流通経路の特定、市場での販売状況等を調査し、その侵害調査に要した費用の一部を助成しています。以下、上記の海外における侵害調査への助成金制度について説明します。
1.応募資格
中小企業基本法に基づく中小企業の要件を満たす法人(複数の中小企業による申請も可)、個人、又は中小企業者としての組合、連合会、団体等であることが必要です。
2.その他の申請条件
以下の(1)から(3)の条件を全て満たす必要があります。
(1)調査国(複数であっても可)において、申請者が所有する権利、又はライセンス許諾を受ける権利について以下の何れかの条件を満たすこと。
①調査対象製品が申請者の登録済み又は出願中の特許権、実用新案権、意匠権若しくは商標権の権利に抵触する可能性があること。
②調査対象製品が、申請者が主張可能な著作権に抵触する可能性があること。
③日本の不正競争防止法違反に該当する侵害があり、権利行使できる可能性が高いこと。
(2)権利侵害の可能性を示す証拠があること。
(3)他の機関から同様の助成を受けていないこと。
3.助成内容
(1)ジェトロが委託した海外の調査機関(調査会社、法律事務所、特許商標事務所等)による調査の費用が対象であり、侵害者に対する調査費用や侵害の鑑定費用が含まれます。
(2)原則として1申請/年度とされており、同一年度内に複数回の申請は認められません。
(3)助成金額は調査費用の2/3以内であり、300万円が上限です。
4.申請から請求書の発行までの流れ
(1)申請条件等の事前確認のために、具体的な被害状況、調査内容についてジェトロ知的財産課に連絡することが強く推奨されています。
(2)申請書、登記簿謄本若しくは決算書の写し、調査国における権利登録証(特・実・意・商の場合)の写し、及び調査国での模倣品被害を証明する資料を提出します。今年度は2013年11月1日の17時(必着)が申請受付期限です。期限前でも助成枠が埋まり次第締め切られます。(申請書の様式は、ジェトロのウェブサイトのサービスガイド画面から入手できます URL=http://www.jetro.go.jp/services/ip_service/)
(3)書類の提出から採否の決定までに2~3週間、書類の完備から調査開始まで40営業日程度を要します。
(4)申請者とジェトロが契約を締結した後、海外現地ジェトロ事務局と調査機関が契約を締結して調査が開始されます。調査完了期限は2014年2月末日です。
(5)調査報告書が申請者に納品された後、調査に係る申請者の負担分について請求書が発行されます。調査報告書の実効性や証拠力については保証されません。
◆ 侵害調査についてご質問がございましたら、お気軽に河野特許事務所までお問い合わせ下さい。
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