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中小・ベンチャー企業への特許取得手数料の

軽減措置強化

黒字化している企業でも適用が可能に

2014.3.1 八木 まゆ

 以前から、中小企業・ベンチャー企業等を対象にした特許取得手数料の減免制度が設けられていますが、出願件数及び権利化件数は依然として低落傾向にあるため、4月から減免制度が強化されます。

・軽減幅の拡大
 従来の制度では、手数料が1/2まで減免されるという内容でしたが、今回は1/3まで減免されます。経済産業省が挙げている適用例は以下のようになります。
                    減免適用なし  平成26年3月まで  平成26年4月1日から
審査請求料(請求項数10)  158,000円       79,000円        52,660円
特許料                26,000円     113,000円        75,330円
(請求項数6、10年間分計)

・対象者の拡大
 今回の措置による対象者は、以下のいずれかに該当する者です。
 a. 小規模の個人事業主又は企業(法人)(従業員20人以下(商業又はサービス業は5人以下))
 b. 事業開始後10年未満の個人事業主、又は設立後10年未満で資本金3億円以下の法人
(企業(法人)については、大企業の子会社など、1又は複数の支配法人がいる場合は対象になりません。)
 b.の対象者は従来の制度と同様です。従来の制度では、a.の対象者には法人税が非課税であるという条件がありましたが、今回その条件が撤廃され、黒字でも減免措置を受けることができます。
 従来の制度でも、a.の対象者については黒字であっても、経済産業省に事前に申請し、研究費比率等の種々の条件を満たして「研究開発型」との確認を受けることができれば減免を受けることはできましたが、利用しやすい制度とは言えませんでした。今回の措置では、a.の対象者の場合、従業員数、主たる業種の分類、住所及び名称を記載し、代表者印を押印した「小規模であることを証明するための証明書」を審査請求書の提出時又は特許料納付書提出時に共に提出すれば適用を受けることができ、手続きが軽減化されたとも言えます。なお法人の場合は支配法人がいないことを証明するために、法人税確定申告書又は出資者名簿等の書面を共に提出することが必要です。

・外国での権利取得支援
 日本国特許庁へPCT国際出願をする場合における出願時納付料(国際調査手数料及び送付手数料)、並びに、国際調査に加えて行なう予備審査請求に必要な手数料(予備審査請求手数料)についても、減免の対象に加えられました。国内出願に係る手数料と同様に1/3まで減免されます。
(出願時納付料 120,000円40,000円、予備審査請求手数料 80,000円26,600円

・留意点
 上述の措置は、平成26年4月1日から平成30年3月末までの間に特許の審査請求又はPCT国際出願をする場合について適用されます。国内に出願済みでこれから審査請求を行なうかどうか検討している案件については減免適用をお考えください。今現在出願していない案件も上記期間内に特許出願及び審査請求を行なえば適用されます。PCT国際出願については、上記期間内にPCT国際出願を行なえば適用されます(予備審査請求は期間後でも可)。


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