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複数国に意匠を一括出願!

デザインを世界規模で保護

2015.1.5 廣田 由利

 現在、意匠登録出願を日本に出願した後、複数国に対して行う場合はパリ条約に基づいて、国別に行う必要があります。今回我が国は、特許出願・商標登録出願と同様に意匠登録出願においても、国際出願を可能とする条約(ハーグ協定)に加入する運びとなりました(2015年1月に加入し、3か月後に効力が発生する予定です)。以下、概要について説明いたします。

1.
 意匠の国際出願は、出願後、国際事務局が方式審査を実施し、不備がなければ実体的な審査を行うことなく国際登録されます。原則、出願日が国際登録の日となります。国際登録後は内容が公表され、我が国のように実体審査を行う国においては公表後に実体審査が開始され、拒絶理由がある場合は拒絶の通報が出願人に対してなされ、拒絶理由が解消した場合は当該国で設定登録がなされます。



2.メリット
 一つの願書及び図面を国際事務局等に提出することで、低廉、簡便に、海外で意匠権を得ることが可能になります。すなわち、グローバル市場で製品デザインの活用及び保護を図りやすくなります。
 日本では実体審査の後、登録が行われるので、日本の審査結果を参照することで、無審査登録国における同一の意匠についての権利の有効性を判断することができます。
 代理人を介さずに手続きを行うこともできます。

3.デメリット
 国際登録後、自動的に早期に意匠が公表されるので(公表の延期を請求するとしても最大30月)、出願人の将来の意匠の傾向をライバル社に知られ、またその意匠を基としてそれを転用したような意匠を作り出されるおそれがあります。拒絶査定がなされた場合には、権利が得られないにも関わらず、意匠は知られてしまうという不利益があります。
 また、国際公表後から指定国で登録の効果が発生するまでの間、他人が当該意匠を実施することに対し権利を主張することができません。但し、我が国を指定する場合は国際公表により補償金請求権は発生します。


◆ 意匠登録出願について何かご質問がございましたら、お気軽に河野特許事務所までお問い合わせ下さい。

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