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新しいタイプの商標-音商標-

どのような音が商標として保護されるのか?

2015.2.2 安田 恵

 「特許法等の一部を改正する法律」が2014年5月14日に公布されました。改正法は2015年4月1日に施行されます。改正法により音楽、音声、自然音などからなる音商標が保護対象として導入されることになりました。しかし、未登録の音であれば何でも登録されるというものではありません。商標は、自社商品と、他社商品を識別する識別標識として需用者に認識されるものでなければなりません。また、音商標は他人の著作権との抵触に注意する必要があります。なお、音商標は米国、欧州、韓国、インドなどにおいても登録が認められています。

☆音のみからなる商標
1. 歌詞などの言語的要素を含まない次のような音商標は商標登録が認められません。
(a) 自然音・・・風の吹く音、雷の鳴る音のような自然界に存在する音、これらに似せた音。
(b) 楽曲・・・需用者にクラッシック音楽、歌謡曲、オリジナル曲などの楽曲としてのみ認識される音。例えば、CMなどの広告でBGMとして流れる楽曲など。
(c) 魅力向上のための音・・・商品の魅力を向上させるに過ぎない音。例えば、商品「子供靴」について、「歩くたびに鳴る「キュッキュッ」という音。
(d) 注意喚起のための音・・・広告などにおいて、需用者の注意を喚起したり、印象付けたり、効果音として使用される音。例えば、商品「焼き肉のたれ」の広告における「ビールを注ぐ『コポコポ』という音」
2. ただし、音商標の使用実績があり、その音を聞いた需用者が特定の出所を認識できる程度まで周知になっているような場合、あるいは創作された音が本来的に識別力を有する場合、商標登録が認められます。なお、その音商標が歌詞付きで使用され有名になっているような場合、音自体が商標の識別標識として需要者に認識されるかどうかが問題になるため、音商標の使用方法に留意する必要があります。

☆言語的要素を含む音の商標
 言語的要素自体が商標として登録され得るものであれば、類似の先登録商標が存在しないなどその他の登録要件を満たせば、言語的要素を含む商標も登録が認められます。

☆著作権との関係
 音商標を構成する楽曲等の音が他人の著作物である場合、音商標が商標登録されたとしても、音商標の使用がその著作権の侵害になる可能性があります。この場合、商標権者であっても音商標を使用することができません。他人の作成した著作物を使用する場合、商標としての著作物の使用について著作権の譲渡又は使用許諾など、事前に権利関係を調整しておく必要があります。

◆音商標については、河野特許事務所までお気軽にご相談ください。
☆商標審査基準改定案
http://www.jpo.go.jp/iken/pdf/shohyo_141225/kaiteian.pdf

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