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2015.7.1 田中 伸次
新製品の販売・新サービスの提供にあたり、製品・サービスのネーミングを行うことがあります。第三者に真似られないように、ネーミングした名称の商標登録を受けようと調査したところ、他社がすでに商標登録していました。この場合であっても、登録商標が使用されていなければ、不使用取消審判を請求して登録商標を取り消すことにより、商標登録を受けることが可能です。
1.不使用取消審判の制度趣旨ついて
商標権は、商標を使用することにより、商標に蓄積された業務上の信用を保護する制度です。したがって、使用されていない登録商標は保護するに値しないため、不使用取消審判(商標法第50条)により、何人も取り消すことが可能です。
2.請求前の事前準備について
不使用取消審判は、継続して3年間、使用されていない登録商標を取り消す制度です。したがって、登録商標が3年以上使用されていないことを、十分に調査することが必要です。
なお、使用していなくとも、医薬品の製造申請の承認を受けるのを待っていたとか、大地震により営業所が破壊され、指定商品について登録商標の使用ができなかったなど、不使用について正当な理由があれば取り消されないので、商標権者に帰責しない理由がないか否かについても、でき得る限り調査します。
また、調査されていることを商標権者が知った場合、登録商標の使用を開始することがあるので、調査は、商標権者に察知されないよう慎重に行ないます。
3.商標権者と接触を持つ場合
登録商標が取り消し得ることを確認の上、商標権の譲渡交渉を試みることも考えられます。その場合には、不使用取消審判を請求の上、商標権者に接触するのが望ましいでしょう。
審判を請求していれば、交渉を有利に進めることができます。また、譲渡交渉を契機として、商標権者が登録商標の使用を開始した場合であっても、使用開始日が、審判請求の三ヶ月前から審判請求された旨が特許庁に登録されるまでの期間である場合、登録商標の使用とは認められず、取り消されるからです。
商標権者に接触した事実を証明することが必要となる場合に備えて、接触記録を書面として残しておきます。
◆ 商標に関するご相談は、お気軽に河野特許事務所までお問い合わせください。
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