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2015.10.1 新井 影親
2015年4月1日より、新しいタイプの商標として「位置商標」及び「色彩のみからなる商標」等を出願することができます。「位置商標」及び「色彩のみからなる商標(製品に付す位置を特定したもの)」は、部分意匠に良く似た外観を有しています。そこで両者の具体的な出願事例を説明し、併せて部分意匠を絡めた出願手法を提案します。
1.位置商標の具体例
【出願商標1】(商願2015-29959、指定商品:マヨネーズソース):位置商標を構成する標章は、赤い太線からなる網の目状の部分です。
【出願商標2】(商願2015-30226、指定商品:コンピュータゲーム機用コントローラ等):商標登録を受けようとする商標は、ゲームプログラムの操作用コントローラの右上部に付されたボタン部分の図形です。
【出願商標1】 | 【出願商標2】 | |
2.色彩のみからなる商標(製品に付す位置を特定したもの)の具体例
【出願商標3】(商願2015-29921、指定商品:女性用ハイヒール靴):商標登録を受けようとする商標は、女性用ハイヒール靴の靴底部分に付した赤色で構成されます。
【出願商標4】(商願2015-63822、指定役務:鉄道による輸送):商標登録を受けようとする商標は、鉄道車両の車体の部分を緑色、ピンク及び白色の組合せとする構成からなります。
【出願商標3】 |
【出願商標4】 | |
3.識別性の審査
「位置商標」の審査においては、位置商標を構成する文字や図形等の標章に識別力がない場合には、標章を付する位置にかかわらず、商標全体としても識別力がないものとされます(商標審査基準〔改訂第11版〕 第1 一 第3条第1項 第3条第1項全体 7 参照)。
「色彩のみからなる商標」の審査においては、原則として識別力がないものとされます(同基準 第1 八 第3条第1項第6号 10 参照)。
4.部分意匠との併願
「位置商標」、「色彩のみからなる商標」に関する審査結果はまだ確認できていませんが、これらは、審査において、識別性無しと判断される可能性が高く、従って、上記出願をする場合には、「部分意匠」出願を併せて行うことをお勧めします。当初商標登録が無理でも、「意匠」登録されれば、意匠権の存続期間(登録日から20年)の間に、積極的に独占的な実施を行うことで、「識別性」を獲得することができ、最終的に「商標」登録され得るからです。なお意匠登録には新規性等の登録要件を満たす必要があるため、御留意下さい。
■ 新しいタイプの商標及び意匠出願について質問・相談がございましたら、お気軽に河野特許事務所までご連絡ください。
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