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デザイン力を示す好機到来!

~2019年意匠法改正~

2019.9.2 新井 景親

はじめに
  2019年5月17日に意匠法が改正され、遅くとも2020年5月17日までに施行されます。今回の意匠法改正によって、より強い意匠権の取得が可能となります。施行まで半年強となった今、施行後の意匠戦略を検討してはいかがでしょうか。以下、改正意匠法の詳細を説明します。

保護対象の拡充
  画像意匠の保護対象が、物品に記録又は表示される画像に限定されず、クラウド上に記録され、必要に応じて物品に表示される画像にまで拡大されました。また物品以外の物に投影される画像も保護対象となります。例えば、車両の進行方向側に侵入した者を検知するために、車両から道路の両側に線を投影し、線を超えた物の有無を画像処理によって検知する場合における当該線又は腕時計から腕に投影された操作ボタンを示す画像などが挙げられます。
  建築物の内装デザイン及び外観が保護対象になります。従来、保護対象は動産に限られ、不動産である建築物は保護対象ではありませんでした。サービス提供会社、例えば飲食業にとって、建築物の内装デザイン及び外観はブランドイメージを確立する重要な手段であり、これを活用する意義は大きいと考えます。
  光によって表れる模様又は色彩(例えば、消灯時には表れないが、点灯時に表れるヘッドランプの模様又は色彩)について、意匠登録を受けることができるようになります。従来は、固体の形状、模様又は色彩のみが意匠として認められていました。

関連意匠制度の拡充
   本意匠の出願日から10年以内であれば、関連意匠を出願することができるようになります。従来は、本意匠の公報発行日(事案によって異なるが本意匠の出願日から約10ヶ月~1年後)までに関連意匠を出願する必要がありました。
 また本意匠には類似しないが、一の関連意匠にのみ類似する意匠を他の関連意匠として出願することができるようになります。従来は、一の関連意匠にのみ類似する意匠を他の関連意匠として出願することはできませんでした。
 これにより、一つのコンセプトに基づいた多数のバリエーションの意匠を継続的に出願し、登録意匠のファミリーを形成することが容易になります。物品の外観は継続使用によって商標的機能を獲得するので、ブランド形成にも資することになります。
  なお関連意匠の要件を満たしていても、新規性を有さない場合、拒絶されるので御留意ください。

その他
  意匠権の存続期間は出願日から25年に変更されます。従来は登録日から20年でした。出願から1年弱で登録されることがほとんどですので、従来よりも存続期間は長くなると考えて差し支えありません。

◆改正意匠法について質問・相談がございましたら、お気軽に河野特許事務所までご連絡ください。

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