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商標のファストトラック審査

~審査着手まで6ヶ月~

2020.3.2 弁理士 八木 まゆ

 商標登録出願に対し、審査着手までの期間を短縮させる「ファストトラック審査」の試行運用が実施されています。

・商標のファストトラック審査とは
  商標登録出願の件数の増加により、2015年頃は出願から審査着手までに3~4ヶ月であった状況が、2020年2月現在、出願がされてから審査着手までに12~14ヶ月を要し、審査結果通知までに更に1~2ヶ月かかると、出願から登録までに約1年半弱かかる、という状況となっています。事業計画を立ててから1年半も経過するとビジネスの状況が変わることもあり、拒絶理由が通知されて権利取得までに時間がかかると事業開始に支障が出る可能性があります。
 長期化する審査期間を短縮する制度の1つとして、下記の条件を満たす商標登録出願について、審査着手までを6ヶ月とする「ファストトラック審査」が2020年2月から運用開始されています。  条件1)対象となる商標登録出願は、指定商品・指定役務が、「審査基準」「施行規則」「国際分類」のリストに示されている商品又は役務のみである出願です。  条件2)その出願について審査着手時までに指定商品・指定役務の補正が行なわれていないことが必要です。
 「ファストトラック審査」では、申請から審査着手までを2ヶ月弱とすることが可能な早期審査と異なり、商標の使用証明を含む事情説明を行なう申請手続は不要であり、自動的に対象とされます。

・商標権を過不足なく効率的に取得するために
 上述のように「ファストトラック審査」は、指定商品・指定役務が、「審査基準」「施行規則」「国際分類」のリストに示されている商品又は役務のみである場合、自動的に、出願から6ヶ月後に審査が開始され結果が通知されます。
 したがって、1年弱で商標権の登録を希望するマーク・標章については、指定商品・指定役務を上述のリストに載っているものに絞って迅速な権利化を狙って出願し、実際に使用したい商品・役務であるがリストに載っていない商品等を指定する場合には、別途、出願するという制度の利用ができます。これにより、指定商品・指定役務に過不足なく、必要に応じて早期権利化を図ることができます。またリスト外の商品・役務を含む出願については、実際に使用している実績が出てきた段階で、早期審査の手続を進めることによって、迅速な権利化が望めます。
  なおリストに載っている商品・役務は、インターネットを通じた知的財産権の無料検索サイトJ-PlatPatの「商品・役務名検索」機能で「基」及び「N」の種別に分類されています。

◆ 商標登録出願に関するご相談は、お気軽に河野特許事務所まで御連絡ください。

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